« 私と松本君と長野さん“R” 「小さな恋のメロディ」 | トップページ | シリアル№00013 »

オフサイド・バックパッカーズ(9)

(3)

スロープ状の展示施設を巡るベンツ・ミュージアムは、思った以上に歩くことになった。展示してある車両も、日本の皇室御用達のリムジンや、映画スターの愛車などで、とても興味深い。試合開始前の暇潰しの駆け足で巡るには惜しい気もしたが、ここは、ブンデスリーグの試合への興味の方が勝った、と、いうことで早々に切り上げる。

964

先程は、閑散とした通りのアスファルトが目についたのだが、わずかの間に一転、スタジアム前の人混みを、騎馬警官が慣れた手順で捌いている。

クラブハウスの前のオープンカフェでは、まだまだ席を立つには早すぎるといった風情で、ジョッキを傾けつつ、ユース辺りと思われる年代の練習風景を眺めたり、今日の試合展開を予想といった雑談中の年季の入った人達を横目に、さっきはまだ無かった、ニットのクラブカラーのマフラーを広げた露店を覗き見ながらスタジアムに向かった。

監獄といった方が適当な表現の、狭い入り口でチケットをもぎってもらい、指定のエリアの示す、赤い矢印に沿ってコンクリートの階段を登ると、急傾斜のスタンド席と緑の芝生が、これぞ本場のフットボールスタジアムという雰囲気と共に、視界いっぱいに飛び込んでくる。

少し興奮が収まるのを待ち、割り当てられたシート番号を探し出すと、スタジアム全体を俯瞰で見渡すというより、ホームチームの応援の波に飲み込まれるといった位置取りの席。確かに良席ではあるが、初見の外国人観客には少しツライ席でもある。

熱烈なサポーターといった人達の隣で、何もしないで観るというのも考えもの、と、スタジアムの売店で赤色のマフラーを買い込み、急いで席へと戻った。

正規品を示すフォログラムシールを貼ったマフラーは、外の露店のバッタものより、ビール2杯分ほど高価であった。

_264_2 「少し手順を間違えたかな…」と後悔しつつ、スタジアムの楽しみと期待していた、本場ドイツのソーセージを諦め、潰れるのを惜しんで、サブザックに詰め替えておいたフランス産のバケットを、ビールで胃袋に流し込んだ。(つづく)

|

« 私と松本君と長野さん“R” 「小さな恋のメロディ」 | トップページ | シリアル№00013 »

「オフサイド・バックパッカーズ」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/436061/43565841

この記事へのトラックバック一覧です: オフサイド・バックパッカーズ(9):

« 私と松本君と長野さん“R” 「小さな恋のメロディ」 | トップページ | シリアル№00013 »